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火山の状況に関する解説情報 2015年10月8日 16時00分現在
 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況(
平成27年9月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しくは
月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 口永良部島の火山活動は活発な状態が継続しています。新岳では、6月1
9日のごく小規模な噴火以降、噴火は観測されていませんが、火山性地震が
時々発生しました。火山性微動は観測されていません。火山ガスはやや少な
い状態で経過しています。今後も、5月29日と同程度の噴火が発生する可
能性があります。大きな噴石の飛散及び火砕流の流下が切迫している居住地
域では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。
 桜島では、8月15日に南岳直下付近を震源とする火山性地震の多発や桜
島島内に設置している傾斜計及び伸縮計で山体膨張を示す急激な地殻変動が
観測されたため、噴火警戒レベルを3(入山規制)から、4(避難準備)に
引き上げました。その後、南岳の地下に貫入したマグマの浅部への上昇は停
止し、新たなマグマの貫入も生じていないと考えられることから、9月1日
16時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)に
引き下げました。これまで繰り返し噴火活動が続いており、今後も活発な噴
火活動が継続すると考えられるため、火山活動の推移に注意が必要です。ま
た、8月15日頃に貫入したマグマのさらなる上昇は今のところみられませ
んが、再びマグマ貫入がある場合などには、桜島の火山活動の活発化は避け
られないものとみられ、引き続き火山活動の変化を注意深く監視していく必
要があります。昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火
に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 阿蘇山の中岳第一火口では、14日09時43分に小規模な噴火が発生し
、灰色の噴煙が火口縁上2,000mまで上がりました。この噴火に伴い小
規模な火砕流が発生しました。変色域の分布から、火砕流は中岳第一火口か
ら南東方向に約1.3km、北東方向に約1.0kmまで広がったと推定さ
れます。また、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口周辺に飛散するのを
確認しました。今後も同程度の噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな
噴石が火口から1kmを超えて飛散する可能性があると判断し、同日10時
10分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から
3(入山規制)に引き上げました。中岳第一火口から概ね2kmの範囲では
、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してくださ
い。
 西之島では、海上保安庁等の観測によると、噴火による噴石等の堆積や溶
岩の流出が継続しています。西之島では、今後も新たに形成された陸地にあ
る火口で噴火活動が継続すると考えられます。また、西之島周辺の海底で噴
火が発生する可能性も引き続き考えられ、噴火による影響が海上まで及んだ
場合、弾道を描いて飛散する大きな噴石や、水面を高速で広がるベースサー
ジ等の影響が概ね2kmの範囲に及ぶおそれがありますので、西之島の中心
から概ね4km以内では噴火に警戒してください。
 箱根山では、大涌谷で6月30日から7月1日の間に発生したと考えられ
るごく小規模な噴火の発生以降、噴火は観測されていません。火山性地震は
少ない状態で経過しています。地殻変動についてはGNSS観測等により、
山体膨張は停止したものと考えられます。これらのことから、11日14時
00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(
火口周辺規制)に引き下げました。一方、地震活動は低下したものの、4月
下旬の活動活発化以前の状態には戻っていないこと、大涌谷周辺では活発な
噴気活動が継続していることから、大涌谷周辺の想定火口域では小規模な噴
火が発生する可能性があります。大涌谷周辺の想定火口域では小規模な噴火
に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 雌阿寒岳では、10月1日に実施した現地調査及び上空からの観測(海上
保安庁の協力による)により、今年7月の現地調査と比較してポンマチネシ
リ火口第4火口の火口壁における地熱域のわずかな拡大や、96ー1火口の
噴煙の勢いの増加を確認しました。全磁力連続観測ではポンマチネシリ96
ー1火口近傍の地下における熱活動の活発化の可能性を示す全磁力の変化が
継続しています。ポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする、微小
な火山性地震は、8月以降徐々に減少していますが、2015年4月中旬よ
り前の活動と比べて依然としてやや多い状態です。ポンマチネシリ火口から
約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石に警戒してください。
 吾妻山では、大穴火口からの噴気活動はやや活発な状態が続いています。
大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火口
周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴石
に警戒してください。
 草津白根山では、湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側に
当たる斜面で熱活動の活発な状態が継続しています。東京工業大学によると
、北側噴気地帯のガス成分及び湯釜湖水の化学成分にも活動活発化を示す変
化がみられています。湯釜火口から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に
伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 浅間山では、6月19日の噴火以降、噴火は観測されていません。山頂直
下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は多い状態が続いてい
ます。また、二酸化硫黄の放出量も多い状態で経過しており、引き続き火山
活動はやや高まった状態で経過しています。今後も火口周辺に影響を及ぼす
小規模な噴火が発生する可能性がありますので、山頂火口から概ね2kmの
範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。登山者等は
地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
 御嶽山では、火山活動は低下した状態が続き、昨年(2014年)10月
以降噴火が発生していないことから、昨年9月27日と同程度の噴火の可能
性は低下していると考えられます。一方、弱いながらも噴煙活動や地震活動
が続いていることから、昨年9月27日よりも規模の小さな噴火が今後も突
発的に発生する可能性は否定できません。火口から概ね1kmの範囲では、
噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(新燃岳)では、火口直下を震源とする火山性地震が時々発生しま
した。GNSS連続観測によると、新燃岳周辺の一部の基線で、わずかに伸
びの傾向が認められます。また、北西数kmの地下深くにあると考えられる
マグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2013年12月頃から伸びの傾向
がみられていましたが、2015年1月頃から停滞しています。火口から概
ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒し
てください。
 諏訪之瀬島の御岳火口では、爆発的噴火が89回発生するなど、活発な状
態で経過しました。今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると
予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描い
て飛散する大きな噴石に警戒してください。

 その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。

最新の噴火警報、噴火予報の発表状況は気象庁ホームページでご確認くださ
い。
http://www.jma.go.jp/jp/volcano/

 なお、(平常)のキーワードについては、平成27年5月18日から(活
火山であることに留意)に変更しました。システム改修により情報文に反映
されるまでの間は、読み替えで対応いただきますようお願いいたします。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル5(避難)> 口永良部島
<レベル3(入山規制)> 阿蘇山、桜島
<入山危険> 西之島
<周辺海域警戒> 福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 雌阿寒岳、吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、箱根山、諏訪之瀬島、霧島山(新燃岳)
<火口周辺危険> 硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> 十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、白山、富士山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、薩摩硫黄島、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、アトサヌプリ、丸山、大雪山、恵庭岳、恵山、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、岩木山、八甲田山、十和田、八幡平、鳥海山、栗駒山、鳴子、蔵王山、燧ヶ岳、肘折、沼沢、日光白根山、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、八丈島、青ヶ島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、鶴見岳・伽藍岳、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> ベヨネース列岩、須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山