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火山の状況に関する解説情報 2015年11月10日 16時00分現在
 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況(
平成27年10月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しく
は月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 口永良部島の新岳では、6月19日の噴火以降、噴火は観測されていませ
ん。火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていま
せん。二酸化硫黄放出量はやや少ない状況でした。地殻変動観測では、5月
29日の噴火以降に特段の変化は認められません。火山活動が高まる傾向は
みられないことから、5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くな
っているものと考えられます。しかしながら、5月29日の噴火前にみられ
た島の隆起が維持されていることから、引き続き噴火の可能性があり、火砕
流にも警戒が必要と考えられます。このことから、21日18時00分に噴
火警戒レベル5(避難)を切替えました。火砕流の流下による影響が及ぶと
予想される屋久島町口永良部島の居住地域(前田地区、向江浜地区)では厳
重な警戒(避難等の対応)をしてください。噴火に伴う大きな噴石の飛散が
予想される新岳火口から概ね2kmの範囲、及び火砕流の流下による影響が
及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2.5kmの範囲では、厳重な警戒
(避難等の対応)をしてください。新岳火口から半径1.4海里以内の周辺
海域では、噴火による影響が及ぶ恐れがありますので、噴火に警戒してくだ
さい。
 桜島では低調な火山活動となっていますが、これまでも繰り返し噴火活動
が続いており、長期的な姶良カルデラの膨張が認められます。このため、今
後も活発な噴火活動が継続すると考えられますので、今後の火山活動の推移
に注意してください。昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では
、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してくださ
い。
 阿蘇山の中岳第一火口では、23日02時59分と06時02分に小規模
な噴火が発生しました。02時59分の噴火では、噴煙が火口縁上1,40
0mまで上がり、火口周辺に大きな噴石が飛散するのを確認しました。06
時02分の噴火では、噴煙が火口縁上1,600mまで上がりました。中岳
第一火口では、活発な火山活動が続いており、当分の間は9月14日と同程
度の噴火が発生する可能性があります。火口から概ね2kmの範囲では、噴
火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してく
ださい。
 西之島では、海上保安庁等の観測によると、噴火による噴石等の堆積や溶
岩の流出が継続しています。西之島では、今後も新たに形成された陸地にあ
る火口で噴火活動が継続すると考えられます。また、西之島周辺の海底で噴
火が発生する可能性も引き続き考えられ、噴火による影響が海上まで及んだ
場合、弾道を描いて飛散する大きな噴石や、水面を高速で広がるベースサー
ジ等の影響が概ね2kmの範囲に及ぶおそれがありますので、西之島の中心
から概ね4km以内では噴火に警戒してください。
 雌阿寒岳では、10月1日に実施した現地調査及び上空からの観測(海上
保安庁の協力による)により、今年7月の現地調査と比較してポンマチネシ
リ第4火口の火口壁における地熱域のわずかな拡大や、96ー1火口の噴煙
の勢いの増大を確認しました。その後、11月2日から5日に実施した現地
調査では、前回(10月)と比べてポンマチネシリ第4火口の地熱域の広が
りや、その他の火口の状況に特段の変化は認められませんでした。全磁力連
続観測では、ポンマチネシリ96ー1火口近傍の地下における熱活動の活発
化の可能性を示す全磁力の変化が継続しています。ポンマチネシリ火口付近
の浅いところを震源とする微小な火山性地震は、8月下旬以降少ない状態で
経過しています。ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さ
な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 吾妻山では、大穴火口からの噴気活動はやや活発な状態が続いています。
11日から12日にかけて実施した現地調査では、大穴火口内及びその周辺
で2013年以降拡大がみられている地熱域を引き続き確認しました。また
、14日から15日にかけて大穴火口周辺で実施した全磁力繰り返し観測で
は、大穴火口周辺の地下での熱活動が活発化している可能性が考えられるデ
ータを引き続き観測しました。大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可
能性がありますので、大穴火口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾
道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 草津白根山では、9月29日から10月2日にかけて実施した現地調査及
び13日の上空からの観測(陸上自衛隊東部方面航空隊の協力による)で、
湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側にあたる斜面で熱活動
の活発な状態の継続と北側噴気地帯で噴気活動が活発化しているのが認めら
れました。また、東京工業大学によると、北側噴気地帯のガス組成及び湯釜
湖水の化学成分に火山活動の活発化を示す変化が継続しています。湯釜火口
から概ね1kmの範囲では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大き
な噴石に警戒してください。
 浅間山では、6月19日の噴火以降、噴火は観測されていません。山頂直
下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は多い状態が続いてい
ます。また、二酸化硫黄の放出量も多い状態で経過しており、引き続き火山
活動はやや高まった状態で経過しています。14日に実施した上空からの観
測(陸上自衛隊東部方面航空隊の協力による)では、山頂火口内の火口底中
央部及びその周辺に高温領域が引き続き認められました。今後も火口周辺に
影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、山頂火口から
概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です

 御嶽山では、7日に実施した現地調査で火口列からの噴煙活動を確認しま
した。地震活動は低下した状態で経過していますが、昨年(2014年)8
月以前の状況には戻っていません。御嶽山の火山活動は低下した状態が続き
、昨年10月以降噴火が発生していないことから、昨年9月27日と同程度
の噴火の可能性は低下していると考えられます。一方、火口列からの噴煙活
動や地震活動が続いていることから、昨年9月27日よりも規模の小さな噴
火が今後も突発的に発生する可能性は否定できません。火口から概ね1km
の範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してくださ
い。
 箱根山では、大涌谷で7月1日に発生した噴火以降、噴火は観測されてい
ません。火山性地震は少ない状態で経過しています。GNSS連続観測でみ
られていた箱根山を挟む基線での伸びは8月下旬頃から停滞しています。地
震活動には引き続き低下傾向がみられるものの、4月の活動活発化以前の程
度に戻るまでは、引き続き大涌谷周辺の火口や噴気孔での小規模な噴火の可
能性があると考えられます。また、噴気活動も緩やかな低下傾向がみられる
ものの活発な状態です。大涌谷周辺の想定火口域では、小規模な噴火に伴う
弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(新燃岳)では、火口直下を震源とする火山性地震が時々発生しま
した。GNSS観測によると、新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考え
られるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2015年1月頃から停滞し
ています。一方、新燃岳周辺の一部の基線では、わずかに伸びの傾向がみら
れます。火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する
大きな噴石に警戒してください。
 諏訪之瀬島の御岳火口では、2日と13日及び31日に噴火が発生しまし
た。今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますの
で、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大き
な噴石に警戒してください。

 その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。

 なお、(平常)のキーワードについては、平成27年5月18日から(活
火山であることに留意)に変更しました。システム改修により情報文に反映
されるまでの間は、読み替えで対応いただきますようお願いいたします。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル5(避難)> 口永良部島
<レベル3(入山規制)> 阿蘇山、桜島
<入山危険> 西之島
<周辺海域警戒> 福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 雌阿寒岳、吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、箱根山、諏訪之瀬島、霧島山(新燃岳)
<火口周辺危険> 硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> 十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、白山、富士山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、薩摩硫黄島、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、アトサヌプリ、丸山、大雪山、恵庭岳、恵山、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、岩木山、八甲田山、十和田、八幡平、鳥海山、栗駒山、鳴子、蔵王山、燧ヶ岳、肘折、沼沢、日光白根山、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、八丈島、青ヶ島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、鶴見岳・伽藍岳、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> ベヨネース列岩、須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山