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火山の状況に関する解説情報 2016年3月8日 16時00分現在
 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況(
平成28年2月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しくは
月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 口永良部島の新岳では、2015年6月19日の噴火後、噴火は観測され
ていません。火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測さ
れていません。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は概ね少ない状態でした。
地殻変動観測では、2015年5月29日の噴火後、特段の変化は認められ
ません。5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低くなっているもの
の、引き続き噴火の可能性があり、火砕流に警戒が必要です。火砕流の流下
による影響が及ぶと予想される屋久島町口永良部島の居住地域(前田地区、
向江浜地区)では厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。噴火に伴う
大きな噴石の飛散が予想される新岳火口から概ね2kmの範囲及び火砕流の
流下による影響が及ぶと予想される新岳火口の西側の概ね2.5kmの範囲
では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。新岳火口から半径1.
4海里以内の周辺海域では、噴火による影響が及ぶおそれがありますので、
噴火に警戒してください。
 西之島では、2013年11月以降、噴石等を放出する噴火や溶岩の流出
が続いていましたが、2015年11月下旬以降はいずれも確認されていま
せん。12月以降は地表面温度の低下が確認されています。今期間に海上保
安庁及び海上自衛隊が実施した上空からの観測でも、観測中に噴火は認めら
れませんでした。このため、17日18時00分に火口周辺警報(入山危険
)を切替え、警戒が必要な範囲を火口から概ね1.5kmの範囲としました
。表面的な活動に低下が認められるものの、これまで2年以上活発な火山活
動が続いてきたことから、火口から概ね1.5km以内では噴火に伴う弾道
を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 桜島の昭和火口では、5日18時56分に爆発的噴火が発生しました。こ
の噴火により、噴煙が火口縁上2,200mまで上がり、弾道を描いて飛散
する大きな噴石が3合目(昭和火口から1,300から1,800m)まで
達しました。同日19時13分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを
2(火口周辺規制)から3(入山規制)へ引き上げました。その後も時々噴
火が発生しており、地殻変動観測では姶良カルデラの膨張が続いていること
から、今後も活発な噴火活動が継続すると考えられます。昭和火口及び南岳
山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大き
な噴石及び火砕流に警戒してください。
 吾妻山では、大穴火口の噴気活動はやや活発な状態が続いています。大穴
火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火口周辺
(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴石に警
戒してください。
 草津白根山では、湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側に
かけての斜面で熱活動の活発な状態が継続しています。東京工業大学による
と北側噴気地帯のガス組成及び湯釜湖水の化学成分にも火山活動の活発化を
示す変化が観測され、その状態が継続しています。地殻変動観測によると、
2014年4月頃から湯釜付近の膨張を示す変動が認められていましたが、
2015年4月頃より鈍化しています。湯釜火口から概ね1kmの範囲では
、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください

 浅間山では、2015年6月19日の噴火後、噴火は観測されていません
。山頂直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は引き続きや
や多い状態が続いており、火山活動はやや活発な状態で経過しています。今
後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので
、山頂火口から概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石に
警戒してください。
 御嶽山では、2014年10月以降噴火の発生はなく、火山活動は緩やか
な低下傾向が続いています。一方、火口列からの噴煙活動や、地震活動が続
いていることから、今後も小規模な噴火が発生する可能性があります。火口
から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に
警戒してください。
 阿蘇山の中岳第一火口では、17日03時30分頃及び18日16時57
分に噴火が発生しました。18日の噴火では、火口から北西約400mに噴
石が飛散するのを確認しました。その後は白色の噴煙が火口縁上400m以
下で経過しました。火山性微動の振幅は、消長を繰り返しながら概ね大きな
状態で経過しました。中岳第一火口では、時々小規模な噴火が発生している
ことから、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります
。火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな
噴石及び火砕流に警戒してください。
 霧島山(新燃岳)では、14日から火山性地震がやや増加し、23日には
日回数155回と多い状態となりました。26日以降は少ない状態となって
います。24日に気象庁機動調査班(JMAーMOT)が実施した現地調査
及び鹿児島県の協力を得て実施した上空からの観測では、噴気や火口内に蓄
積された溶岩の形状や大きさに特段の変化は認められませんでした。赤外熱
映像装置による観測では、火口内及び西側斜面の割れ目の熱異常域の分布に
変化はみられませんでした。GNSS連続観測によると、新燃岳の北西数k
mの地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2
015年1月頃から停滞しています。また、新燃岳周辺の一部の基線では、
わずかに伸びの傾向がみられていましたが、2015年10月頃から停滞し
ています。新燃岳では火口周辺に影響のある小規模な噴火が発生する可能性
がありますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて
飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)では、2015年7月頃から振幅の
小さな火山性微動が時々発生している他、2015年12月14日以降、硫
黄山で新たな噴気が確認され、拡大傾向が続いています。28日にえびの高
原(硫黄山)周辺の浅いところを震源とする火山性地震が増加し、日回数で
53回発生しました。えびの高原(硫黄山)周辺では火山活動が高まってお
り、噴気や火山ガスなどが噴出し、今後状況によっては小規模な噴火が発生
する可能性があるため、28日11時00分に霧島山(えびの高原(硫黄山
)周辺)に火口周辺警報(火口周辺危険)を発表しました。えびの高原の硫
黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴
石に警戒してください。
 諏訪之瀬島の御岳火口では、ごく小規模な噴火が時々発生しました。今後
も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口
から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に
警戒してください。

 その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル5(避難)> 口永良部島
<レベル3(入山規制)> 桜島
<入山危険> 西之島
<周辺海域警戒> 福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、阿蘇山、諏訪之瀬島、霧島山(新燃岳)
<火口周辺危険> 硫黄島、霧島山
<レベル1(活火山であることに留意)> 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、薩摩硫黄島、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、アトサヌプリ、丸山、大雪山、恵庭岳、恵山、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、岩木山、八甲田山、十和田、八幡平、鳥海山、栗駒山、鳴子、蔵王山、燧ヶ岳、肘折、沼沢、日光白根山、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、八丈島、青ヶ島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、三瓶山、開聞岳、中之島、阿武火山群、鶴見岳・伽藍岳、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> ベヨネース列岩、須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山