スペイン東部で大雨洪水(2024年)
2024年(令和6年)10月29日朝(日本時間同日午後)から翌30日にかけて、スペイン東部バレンシア州や南部アンダルシア州で大雨が続いた。バレンシア州西部では、わずか8時間で年間降水量に匹敵する491mmを観測し、場所によっては過去20年間で最も多い雨量を記録した。大雨の原因は、北側から地中海への冷たい空気が生み出す寒冷低気圧とされている。
この大雨の影響で、バレンシア州やアンダルシア州では複数の河川が氾濫し、一部では鉄砲水が発生した。特に被害が大きかったのはバレンシア州で、死者は200人を超えたと報告されている。また、ライフライン・交通への影響も大きく、一時は100,000軒以上が停電したほか、高速鉄道も一部区間で運休するなどした。この災害による被害は、ヨーロッパにおいては2021年に180人以上が犠牲となったドイツの洪水を上回り、スペイン近代史上最悪の自然災害の一つとみられている。
被害が集中したバレンシア州では、政府の対応や情報提供に対する批判が集まり、州首相の辞任を求める抗議デモがスペイン各地で行われた。
