昭和58年台風10号と秋雨前線(1983年)
大山川のようす(篠山市[旧丹南町]):台風は日本の南方洋上を北西に進み、25日に沖縄本島と宮古島の間を通って東シナ海に入って北上した。27日に進路を東寄りに変えて、28日10時頃に長崎市付近へ上陸した。上陸後は九州を横断して高知県宿毛市付近に再上陸し、15時に温帯低気圧となって南岸を東に進んだ。また、24日頃から西日本に停滞した秋雨前線が台風の接近とともに活動を活発化し、雨もようの日が続いた。特に28日、兵庫県内では早朝から強雨が断続し、24日からの総雨量は名塩の346mmを最高に、200mmを超えた所が多くなった。雨は低気圧が潮岬付近を通過してようやく止んだが、神戸市付近ではこの頃から北風が強くなり、瞬間風速は30m/sに達した。
提供:兵庫県CGハザードマップ
1983年(昭和58年)9月24日から28日にかけて、台風10号が西日本に接近した。台風は南西諸島から東シナ海を北上し、28日10時頃に長崎市付近に上陸した。その後、台風は九州地方を横断し、高知県宿毛市付近に再上陸して温帯低気圧に変わった。
台風の接近に伴い、西日本付近に停滞していた秋雨前線の活動が活発化し、各地で大雨となった。特に木曽川では、愛知県犬山市の観測所で最高水位13.14mを観測するなど記録的な大出水となり、木曽川中流の岐阜県美濃加茂市や坂祝町では浸水面積が290haに及んだ。この岐阜県で4人が死亡するなど全国で死者・行方不明者44人、浸水・損壊家屋56,000棟以上に達する大きな被害となった。