平成24年7月九州北部豪雨

平成24年7月洪水の水害状況(中流部の浸水状況):平成24年7月3日洪水においては、7月3日に梅雨前線が九州北部地方に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込み、明け方から昼前を中心に大気の状態が不安定となりました。大分県では、雷を伴った激しい雨が断続的に降り、西部や北部を中心に記録的な大雨となりました。山国川流域では3日に11観測所で3時間雨量が100mm以上を記録し、山国川では下唐原観測所等5観測所で既往最高水位を記録しました。 提供:国土交通省 九州地方整備局

 2012年(平成24年)7月11日から14日にかけて、九州北部地方は記録的な大雨に見舞われ、各地で河川の氾濫や土石流が発生するなど大きな被害となり、気象庁はこの大雨を「平成24年7月九州北部豪雨」と命名した。

 対馬海峡付近に停滞した梅雨前線に向かって湿った空気が流れ込み、熊本県阿蘇市で6時間に450mm以上の雨量を観測するなど九州北部地方で記録的大雨となった。この大雨で福岡県の矢部川では堤防が決壊するなど、河川の洪水や土砂災害が相次ぎ、一連の豪雨で死者・行方不明者33人、負傷者34人、損壊・浸水家屋は13,000棟以上にのぼった。

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専門家からのアドバイス

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生活道路が脅威となる可能性も。河川が溢れ大被害に

 福岡県八女市、大分県日田市・竹田市、熊本県阿蘇市などの山間部を中心に、観測史上最大の降水量を観測。各地で土砂崩れが起き、複数の河川が氾濫しました。氾濫の大きな要因としては流木の集積が挙げられます。

 玉来川にかかる橋長60.8mの阿蔵新橋(竹田市)付近は、大量の水を受け流せる大きさであるにもかかわらず、流木の集積が浸水被害の拡大の一因となりました。多くの流木が水路を塞いだため、行き場を無くした水と土砂が住宅地に流れ込んだのです。今まで溢れたことのなかった大きな河川でも、脅威となる可能性が十分にあります。

 今回の水害を受けて、竹田市では安全性を考慮し、一部の橋の撤去を決行。生活道路として利用されていた阿蔵新橋もその対象となりました。また、川沿いの人工林伐採も注目され、広葉樹の自生を促す活動も行われました。

 事前にできる対策としては、自分のいる場所や地形を把握し、起こりうる状況に備えておくこと。日頃から避難場所の確認や、災害時の行動を決めておくことをおすすめします。また、必ずしも自宅にいるときに被害に遭うとは限りません。避難場所に関しては、数カ所ほど押さえておくといいでしょう。

 近隣の河川や降雨量に大きな異変がなくても気を緩めず、状況の判断に努めることが大切です。遠くの川が溢れ、浸水してくる場合もあります。早急に避難するのが最善の手段です。

小松 利光(九州大学 名誉教授(河川工学) 日本工学会副会長 土木学会特別上級技術者(流域・都市))
小松 利光
九州大学 名誉教授(河川工学) 日本工学会副会長 土木学会特別上級技術者(流域・都市)
河川工学・環境水理学を専門とし、各地で起こる水害の調査・研究を行う。「平成24年7月九州北部豪雨」「平成29年7月九州北部豪雨」では、基礎調査と各災害の発生機構の解明を目的に組織された土木学会調査団団長ならびに顧問として、現地調査に注力した。

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