秋田県で大雨(2023年)
2023年(令和5年)7月14日から16日にかけて、梅雨前線の停滞により、東北地方では秋田県を中心に記録的な大雨となった。秋田県では72時間雨量が所によって400mmを超え、これまでの観測史上1位の記録を更新する地点が相次いだ。避難情報も各地に発令され、最も高い警戒レベル5の「緊急安全確保」が一時、秋田市をはじめ県内6市町村に発令された。
この大雨の影響で、秋田県五城目町では、河川の氾濫に巻き込まれ水没した車の中で1人が死亡した。また、家屋の損壊や浸水は県内で7,000軒以上に及んだが、秋田市だけで県全体の80%以上にあたる5,800軒あまりが被害を受けた。秋田市では市内を流れる太平川が氾濫し、秋田駅周辺など市街地の広範囲が浸水した。ライフラインへの影響も大きく、浄水場などの浸水により、五城目町のほぼ全域をはじめ県内複数の市町村で断水が発生し、全面解消まで約2週間を要した。さらに、秋田市内の複数の病院では浸水により診療を中止したほか、災害派遣要請を受けた自衛隊により入院患者の転院・移送が行われた病院もあるなど、住民の生活に大きな影響を及ぼした。
今回の大雨で特に大きな被害を受けた秋田市では、氾濫した太平川で川底の掘削や堤防の強化などの水害対策工事を実施する一方、より迅速な避難情報発令のための対象区域の見直しなどハード・ソフト両面からの対策が進められている。
参考資料
- 秋田県災害対策本部「令和5年7月14日からの大雨による被害状況等について」
- 秋田地方気象台「令和5年7月14日から16日の秋田県の記録的な大雨」
- 国土交通省東北地方整備局「雄物川下流圏域水災害対策プロジェクトについて」
- 秋田市「令和5年7月豪雨対応」