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火山の状況に関する解説情報 2016年10月4日 18時00分現在
 本日、第136回火山噴火予知連絡会を開催し、全国の火山活動について検討を行いました。現在までの全国の火山活動の評価のほか、桜島、口永良部島等の火山活動について特に重点的に検討を行い、結果を以下のとおりとりまとめました。その他の火山については気象庁ホームページを参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 桜島〔火口周辺警報(噴火警戒レベル3)〕昭和火口及び南岳山頂火口の噴火活動は8月以降低下していますが、姶良カルデラの地下深部の膨張が続いていることから、噴火活動が再活発化する可能性があり、引き続き火山活動の推移を注意深く監視していく必要があります。
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

 口永良部島〔火口周辺警報(噴火警戒レベル3)〕地殻変動観測によると、2015年5月29日の噴火前にみられた山体の膨張は、2016年1月頃から収縮に転じています。
 火山性地震や火山性微動が時々観測されており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2016年1月以降、1日あたり80から400トンと2014年8月3日の噴火前よりは多い状態が続いています。
 これらのことから、2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低下しているものの引き続き噴火の可能性があります。
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が風に流されて降るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。

 吾妻山〔火口周辺警報(噴火警戒レベル2)〕火山性地震は少ない状態で継続しています。また、GNSSによる地殻変動観測では、一切経山付近の膨張を示す変化は2015年7月頃から停滞または収縮の傾向となっています。一方、大穴火口付近の浅部では熱活動が継続していますので、今後の火山活動の推移に注意してください。

 草津白根山〔火口周辺警報(噴火警戒レベル2)〕湯釜火口の北から北東内壁及び水釜火口の北から北東側にかけての斜面で熱活動の活発な状態が継続しています。また、湯釜の北側噴気地帯の噴気活動は引き続き活発で、ガス組成及び湯釜湖水の化学成分も活動活発化を示す状態が継続しています。
 草津白根山では火山活動が活発化した状態が続いており、小規模な噴火が発生する可能性があることから、湯釜火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

 浅間山〔火口周辺警報(噴火警戒レベル2)〕火山性地震のやや多い状態が続いています。6月以降弱い火映を時々観測しています。
 今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、山頂火口から概ね2kmの範囲では弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。登山者等は危険な地域には立ち入らないよう地元自治体等の指示に従ってください。
 風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

 御嶽山〔火口周辺警報(噴火警戒レベル2)〕火口列からの噴煙活動や山頂直下付近の地震活動が続いていることから、今後も小規模な噴火が発生する可能性があります。
 火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石に注意してください。

 阿蘇山〔火口周辺警報(噴火警戒レベル2)〕火山性微動の振幅は概ねやや大きい状態で経過しましたが、9月には少しずつ減少しています。火山ガス(二酸化硫黄)放出量は多い状態が続いています。中岳第一火口では、今後も火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生する可能性があります。
 中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石、火山ガスに注意してください。

 諏訪之瀬島〔火口周辺警報(噴火警戒レベル2)〕御岳火口の活発な噴火活動が続いています。火口から概ね1kmの範囲では、今後も噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。

 西之島〔火口周辺警報(火口周辺危険)〕西之島では、火山活動の低下が認められるものの、火口付近には高温領域が引き続き確認されています。火道域に海水が浸入した際には小規模な噴火が発生する可能性があることから、火口から概ね500mの範囲では弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

 新潟焼山〔噴火予報(噴火警戒レベル1)〕2015年夏頃から噴煙がやや高く上がる傾向が認められています。2015年以降火山性地震がやや増加しています。7月21日には山腹でごく小規模な噴火に伴うものとみられる微量の火山灰が確認されました。
 GNSSによる地殻変動観測では、2016年1月頃から新潟焼山を南北に挟む基線で伸びがみられています。
 今後の火山活動に注意してください。山頂から半径1km以内(想定火口内)では、登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル3(入山規制)> 桜島、口永良部島
<周辺海域警戒> 福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、阿蘇山、諏訪之瀬島、霧島山(新燃岳)
<火口周辺危険> 西之島、硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、恵山、岩木山、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、蔵王山、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、薩摩硫黄島、鶴見岳・伽藍岳、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、丸山、大雪山、恵庭岳、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、八甲田山、十和田、八幡平、鳥海山、栗駒山、鳴子、燧ヶ岳、肘折、沼沢、日光白根山、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、八丈島、青ヶ島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> ベヨネース列岩、須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山