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火山の状況に関する解説情報 2017年10月3日 18時00分現在
本日、第139回火山噴火予知連絡会において、前回(第138回、平成29年6月20日)以降の全国の火山活動について以下のとおり評価を行いました。また、参考として気象庁が発表している噴火警報・予報(噴火警戒レベル)についても併せてお知らせします。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
桜島
桜島の噴火活動は継続しており、8月中旬以降は活発な状態で経過しました。昭和火口での爆発的噴火は比較的少なく、大きな噴石は最大4合目(昭和火口より800から1300m)まで到達しました。姶良カルデラ地下深部へのマグマ供給が継続しており、今後も噴火活動が継続する可能性があります。
【参考】火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)発表中
昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。

口永良部島
火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2016年5月以降、1日あたり概ね100から200トンで経過していましたが、1日あたり概ね100から500トンと、4月以降はやや多い状態が続いています。噴煙は、最高で火口縁上800mまで上がるなど、2014年8月3日の噴火前よりは多い状態が続いています。また、微小な火山性地震が6月頃から増加しています。引き続き新岳火口から噴火が発生する可能性があります。
【参考】火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)発表中
新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけて、火口から海岸までの範囲では火砕流に警戒してください。

西之島
4月中旬に噴火の再開が確認されて以降、火砕丘の山頂火口からの大きな噴石の飛散や、島の西岸及び南西岸で溶岩流の海への流入が確認されていました。その後、気象衛星ひまわりの観測によると、西之島付近の地表面温度は2017年7月頃から徐々に低下し、8月頃からは周囲とほとんど変わらない状態となっています。8月11日及び24日の機上からの観測では、山頂火口から火山灰や噴石の噴出は認められず、8月11日の観測で認められた溶岩流の海への流入は、8月24日は止まっていたとみられます。西之島は約1年半の休止期間の後、4月に噴火した経緯を踏まえると、今後も噴火が再開する可能性が考えられます。
【参考】火口周辺警報(入山危険)発表中
火口から概ね1.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

浅間山
火山性地震は概ねやや多い状態で経過しています。2016年12月頃から浅間山の西側での膨張を示すと考えられるわずかな地殻変動を観測しています。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2016年11月頃から増加しているものの、4月以降はやや減少し、1,000トン前後で経過しています。また、2016年12月以降、高感度の監視カメラで確認できる程度の弱い火映を時々観測しています。今後も小規模な噴火が発生する可能性があります。
【参考】火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)発表中
山頂火口から概ね2kmの範囲では弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
4月25日から継続していた硫黄山方向が隆起する傾斜変動は、8月中旬頃から概ね停滞しましたが、火山性地震は8月中旬に一時的に増加しました。その後9月5日13時29分には、振幅の大きな地震が発生し、14時頃まで小さな地震が継続しました。またこれらの地震と共に硫黄山周辺の傾斜計では傾斜変動が観測されました。この地震の後、噴気活動の活発化がみられましたが、9月中旬以降は概ね9月5日以前の状態に戻りつつあります。また、2015年12月から徐々に拡大していた熱異常域は、9月下旬には2017年初めの程度に縮小し、高温域が局所的に存在しています。今後の活動の推移に注意が必要です。また、硫黄山周辺では硫化水素にも注意が必要です。
【参考】火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)発表中
えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒が必要です。

諏訪之瀬島
御岳火口では、噴火が時々発生し、集落で降灰が確認されるなど、活発な噴火活動が続いています。今後も小規模な噴火が発生する可能性があります。
【参考】火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)発表中
火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。

御嶽山
2014年9月27日に噴火が発生した剣ヶ峰山頂の南西側の火口列からの噴煙活動や山頂直下付近の地震活動はゆっくりと低下し続け、火山活動には静穏化の傾向がみられることから、噴火が発生する可能性は低くなっています。しかし、2014年に噴火が発生した火口列の一部の噴気孔では、引き続き噴気が勢いよく噴出していますので、火山灰等のごく小規模な噴出が発生する可能性があります。
【参考】噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)発表中
噴気活動の活発な噴気孔から概ね500mの範囲では、突発的な火山灰等のごく小規模な噴出に注意が必要です。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル3(入山規制)> 桜島、口永良部島
<入山危険> 西之島
<周辺海域警戒> ベヨネース列岩、福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 浅間山、諏訪之瀬島、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
<火口周辺危険> 硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、恵山、岩木山、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、日光白根山、草津白根山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、阿蘇山、雲仙岳、薩摩硫黄島、鶴見岳・伽藍岳、霧島山(御鉢)、霧島山(新燃岳)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、丸山、大雪山、恵庭岳、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、八甲田山、十和田、八幡平、鳥海山、栗駒山、鳴子、燧ヶ岳、肘折、沼沢、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、八丈島、青ヶ島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> 須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山