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火山の状況に関する解説情報 2018年5月10日 16時00分現在
 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況(平成30年4月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しくは月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 霧島山(新燃岳)では、5日に爆発的噴火が発生し、ごく小規模な火砕流が、火口縁から南東側へ約400m(新燃岳火口の中心から約800m)流下しました。7日以降、噴火は観測されていません。弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範囲では警戒してください。
 桜島の南岳山頂火口では、噴火が66回発生しました。昭和火口では、噴火が3回発生しました。姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続しており、今後も噴火活動が継続すると考えられます。昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 草津白根山(白根山(湯釜付近))では、21日19時頃から湯釜付近を震源とする火山性地震が増加し、21日頃から湯釜火口付近の傾斜計でわずかな変化が観測されました。白根山(湯釜付近)では、火山活動が高まっていると判断し、22日07時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引き上げました。湯釜火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 草津白根山(本白根山)では、火口付近の地震活動が継続しており、火山活動がやや高まった状態が続いています。1月23日と同様な噴火が発生する可能性は否定できません。本白根山鏡池付近から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 浅間山では、山頂火口直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震の活動は、やや多い状態が続いているものの、2018年3月頃から徐々に減少傾向がみられています。今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)では、19日15時39分頃に硫黄山の南側で噴火が発生し、火孔から200から300m程度まで大きな噴石が飛散したことから、19日15時55分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。20日には硫黄山の西側500m付近で新たに噴気が上がり、26日18時15分頃には一時的に火山灰が含まれる噴煙が上がる程度の噴火が発生しました。その後、噴火は発生していません。活発な噴気活動は続いていますが、今後想定される噴火の規模から警戒の必要な範囲は硫黄山から概ね1kmの範囲と判断し、5月1日(期間外)14時00分に火口周辺警報を発表して、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 口永良部島では、新岳火口の西側割れ目付近には依然として熱異常域が存在するものの、温度は低い状態が続いており、新岳火口を挟むGNSSの基線では、2016年1月頃から緩やかな縮み傾向がみられています。火山性地震は概ね多い状態で経過しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も2014年8月の噴火前の水準には低下しておらず、火山活動はやや高まった状態となっています。引き続き小規模な噴火の可能性があります。18日11時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 諏訪之瀬島の御岳火口では、噴火が時々発生しました。今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 秋田駒ヶ岳では、3日に振幅の小さな火山性微動が発生し、微動の直後及び24日に低周波地震も発生しました。地殻変動は認められず、その後の地震活動に特段の変化はみられません。上空からの観測では、女岳及びその周辺で噴気や地表面等の状況に特段の変化はなく、男女岳付近にも特段の異常は認められませんでした。秋田駒ヶ岳では、火山性地震の増加が時々みられ、火山性微動と低周波地震が発生したことから、今後の火山活動の推移に注意してください。なお、女岳周辺では噴気活動がみられますので注意してください。
 阿蘇山では、孤立型微動が引き続き多い状態で経過しましたが、その他の観測データに特段の変化はみられません。火口内で土砂や火山灰が噴出し、火口縁に影響を及ぼす可能性があります。また、火口付近では火山ガスに注意してください。
 薩摩硫黄島では、火山性地震が少ない状態で経過するなど火山活動は低下しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火の兆候は認められなくなったことから、27日14時00分に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。活火山であることから、火口内では火山灰等が噴出する可能性があります。また、火口付近では火山ガスに注意してください。なお、地元自治体が実施している立入規制等に留意してください。

 その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル3(入山規制)> 桜島、霧島山(新燃岳)
<入山危険> 西之島
<周辺海域警戒> ベヨネース列岩、福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 草津白根山、浅間山、口永良部島、諏訪之瀬島、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
<火口周辺危険> 硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、恵山、岩木山、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、鳥海山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、日光白根山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、阿蘇山、雲仙岳、薩摩硫黄島、鶴見岳・伽藍岳、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、丸山、大雪山、恵庭岳、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、八甲田山、十和田、八幡平、栗駒山、鳴子、燧ヶ岳、肘折、沼沢、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、八丈島、青ヶ島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、男体山、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> 須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山