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火山の状況に関する解説情報 2018年7月9日 16時00分現在
 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況(平成30年6月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しくは月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 桜島の南岳山頂火口では、噴火が35回発生しました。昭和火口では、噴火は観測されていません。GNSS連続観測では、姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部への膨張を示す基線の伸びは2018年3月頃から鈍化しているものの、地下深部へのマグマの供給は継続していると考えられ、今後も南岳山頂火口を中心に噴火活動が継続すると考えられます。南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 草津白根山(白根山(湯釜付近))では、4月21日頃に湯釜付近を震源とする火山性地震が増加し、その後も増減を繰り返しながら地震活動は継続しており、地震活動開始とほぼ同時期から、わずかな地殻変動が続いています。湯釜火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 草津白根山(本白根山)では、火口付近の地震活動が継続しています。1月23日と同様な噴火が発生する可能性は否定できません。本白根山鏡池付近から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 浅間山では、山頂直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震の活動は、やや多い状態が続いているものの、2018年3月頃から徐々に減少傾向がみられています。今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 西之島では、火山活動に明らかな低下が認められ、噴火が発生する可能性は低くなっていることから、20日18時00分に火口周辺警報(入山危険)から火口周辺警報(火口周辺危険)に引き下げました。噴火の可能性は低くなっているものの、火口付近に噴気や高温領域が確認されており、小規模な噴火が発生する可能性は否定できません。火口から概ね500mの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)では、4月27日以降、噴火は観測されていませんが、活発な噴気活動が続いています。GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、4月19日の噴火後に山体の収縮を示す変動がみられていましたが、6月上旬から再び伸びの傾向がみられます。えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(新燃岳)では、22日及び27日に噴火が発生しました。4月以降も噴火が時々発生していますが、火口の中心から2kmを越える大きな噴石の飛散は観測されていません。また、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量の減少などから、新燃岳火口へのマグマの供給は低下したものとみられ、2kmを超える範囲に影響を及ぼす噴火が発生する可能性は低くなったと判断したことから、28日11時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。新燃岳火口の浅部では活発な地震活動が続いていることなどから、引き続き、弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する噴火の可能性があります。そのため、火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。
 口永良部島では、火山性地震は概ね多い状態で経過しており、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も2014年8月の噴火前の水準には低下しておらず、火山活動はやや高まった状態となっており、引き続き小規模な噴火の可能性があります。新岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、新岳火口から西側の概ね2kmの範囲では、火砕流に警戒してください。
 諏訪之瀬島の御岳火口では、爆発的噴火が1回発生しました。今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 十勝岳では、5月29日以降、火山性地震の一時的な増加や継続時間の短い火山性微動が時々観測されています。2006年以降の山体浅部の膨張が継続する中で、噴煙高の高い状態、地熱域の拡大や温度上昇、地震の一時的な増加等、火山活動の活発化を示唆する現象を観測していますので、今後の活動の推移に注意が必要です。

 その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル3(入山規制)> 桜島
<周辺海域警戒> ベヨネース列岩、福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 草津白根山、浅間山、口永良部島、諏訪之瀬島、霧島山(新燃岳)、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
<火口周辺危険> 西之島、硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、恵山、岩木山、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、鳥海山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、日光白根山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、八丈島、青ヶ島、九重山、阿蘇山、雲仙岳、薩摩硫黄島、鶴見岳・伽藍岳、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、丸山、大雪山、恵庭岳、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、八甲田山、十和田、八幡平、栗駒山、鳴子、燧ヶ岳、肘折、沼沢、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、男体山、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> 須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山