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火山の状況に関する解説情報 2018年9月10日 16時00分現在
 本日、全国の活火山の活動状況や警戒事項を取りまとめた月間火山概況(平成30年8月)を発表しました。その概要は以下のとおりです。詳しくは月間火山概況及び火山活動解説資料を参照ください。
気象庁地震火山部 発表
火山の活動状況など
 桜島の南岳山頂火口では、活発な噴火活動が継続しており、今後も南岳山頂火口を中心に引き続き噴火活動が継続すると考えられます。南岳山頂火口及び昭和火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。
 口永良部島では、5日から火山ガス(二酸化硫黄)の放出量が増加し、15日に新岳の西側山麓付近のやや深い場所で火山性地震が増加しました。この火山性地震の震源は2015年5月の噴火前に発生した地震と概ね同じ場所であると推定されたことから、今後、火山活動が更に高まり、居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生する可能性があると判断し、15日に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から4(避難準備)に引き上げました。16日以降は新岳の西側山麓付近のやや深い場所を震源とする火山性地震は観測されていません。また、火山ガスの放出量に更なる増加は認められず、噴煙や熱異常域の状況に特段の変化は認められないなど、火山活動の更なる高まりは認められなかったことから、居住地域に重大な被害を及ぼす噴火が発生する可能性は低くなったと判断し、29日に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを4(避難準備)から3(入山規制)に引き下げました。一方で、8月に入ってから、火山活動が高まった状態となっていますので、新岳火口から概ね2kmに影響を及ぼす噴火の可能性があります。新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。また、向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。
 西之島では、7月12日に噴火活動が再開しましたが、7月下旬以降噴火は観測されていません。2013年以降、噴火活動を繰り返しており、今後も噴火が再開する可能性が考えられます。火口から概ね1.5kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や溶岩流に警戒してください。
 草津白根山(白根山(湯釜付近))では、湯釜付近を震源とする火山性地震の活動は、増減を繰り返しています。また、湯釜周辺の傾斜計で観測されている地殻変動は、8月下旬頃から概ね停滞しています。湯釜火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 草津白根山(本白根山)では、火口付近の地震活動が継続しています。1月23日と同様な噴火が発生する可能性は否定できません。本白根山鏡池付近から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)では、硫黄山の活発な噴気活動が続いています。GNSS連続観測では、硫黄山近傍の基線で、6月上旬から伸びの傾向が続いています。えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 霧島山(新燃岳)では、6月28日以降、噴火は観測されていません。火口直下を震源とする火山性地震は、26日に一時的に増加するなど、概ね多い状態で経過しました。GNSS連続観測では、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びは緩やかに継続しており、火山活動の長期化やさらなる活発化の可能性もあります。弾道を描いて飛散する大きな噴石が新燃岳火口から概ね2kmまで、火砕流が概ね1kmまで達する噴火の可能性があります。そのため、新燃岳火口から概ね2kmの範囲では警戒してください。
 諏訪之瀬島では、今期間噴火は観測されませんでした。長期にわたり噴火を繰り返していることから、今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。
 硫黄島では、火山性地震が9月8日(期間外)から増加しています。また、GNSS連続観測では、地震活動と同時期から通常より大きな隆起が観測されています。従来から小規模な噴火がみられていた領域や沿岸では噴火に警戒してください。
 吾妻山では、火山性地震が8月中旬頃からやや多い状態で経過し、9月8日から9日にかけて(期間外)増加がみられました。また、7月22日の火山性微動の発生以降、傾斜計で観測されている地殻変動が継続しています。これらのように、火山活動に高まりが認められますので、今後の火山情報に注意してください。
 浅間山では、火山性地震はやや少ない状態となり、浅間山の西側の膨張を示すと考えられる地殻変動もみられていません。また、山頂火口からの噴煙や火山ガス(二酸化硫黄)の放出量も少ない状態となっています。これらのことから、30日に噴火予報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から1(活火山であることに留意)に引き下げました。火口から500mの範囲に影響を及ぼす程度のごく小規模な噴火の可能性がありますので、火山灰噴出や火山ガス等に注意してください。

 その他の火山の活動状況に特段の変化はありません。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル3(入山規制)> 桜島、口永良部島
<入山危険> 西之島
<周辺海域警戒> ベヨネース列岩、福徳岡ノ場
<レベル2(火口周辺規制)> 草津白根山、諏訪之瀬島、霧島山(新燃岳)、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
<火口周辺危険> 硫黄島
<レベル1(活火山であることに留意)> アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、恵山、岩木山、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、鳥海山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、日光白根山、浅間山、新潟焼山、焼岳、御嶽山、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、八丈島、青ヶ島、九重山、阿蘇山、雲仙岳、薩摩硫黄島、鶴見岳・伽藍岳、霧島山(御鉢)
<活火山であることに留意> 知床硫黄山、羅臼岳、摩周、丸山、大雪山、恵庭岳、渡島大島、利尻山、羊蹄山、ニセコ、天頂山、雄阿寒岳、茂世路岳、散布山、指臼岳、小田萌山、択捉焼山、択捉阿登佐岳、ベルタルベ山、爺爺岳、羅臼山、泊山、ルルイ岳、恐山、八甲田山、十和田、八幡平、栗駒山、鳴子、燧ヶ岳、肘折、沼沢、赤城山、榛名山、妙高山、弥陀ヶ原、乗鞍岳、新島、神津島、伊豆鳥島、高原山、横岳、アカンダナ山、利島、御蔵島、男体山、三瓶山、霧島山、開聞岳、中之島、阿武火山群、由布岳、福江火山群、米丸・住吉池、池田・山川、口之島、硫黄鳥島
<活火山であることに留意(海底火山)> 須美寿島、海徳海山、噴火浅根、北福徳堆、孀婦岩、海形海山、南日吉海山、日光海山、若尊、西表島北北東海底火山