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火山の状況に関する解説情報 2018年6月22日 16時40分現在
<火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続>
 新燃岳では、本日(22日)09時09分に爆発的噴火が発生しました。活動状況と本日実施した観測の結果をお知らせします。
 引き続き、新燃岳火口から概ね3kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石、及び新燃岳火口から概ね2kmの範囲では火砕流に警戒してください。
福岡管区気象台 鹿児島地方気象台 発表
火山の活動状況など
 本日(22日)、09時09分に爆発的噴火が発生しました。噴煙は火口縁上2600mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口の中心から1100mまで達しました。また、宮崎地方気象台では身体にわずかに感じる程度の空振を観測しました。この噴火は09時30分に停止しました。その後、噴煙は白色で100m以下で経過しています。

 高千穂河原観測点の傾斜計では、本日の爆発的噴火の発生に伴い、新燃岳方向がわずかに沈降する変動が認められました。これは4月5日の爆発的噴火や5月14日の噴火に伴う変動と比べてもわずかな変動でした。

 鹿児島県の協力により実施した上空からの赤外熱映像装置による観測では、火口周辺に大きな噴石が飛散した痕跡を確認しました。
 現地調査及び聞き取りによる調査では、宮崎県都城市、高原町、鹿児島県霧島市の新燃岳山麓の一部で微量の降灰を確認しました。

 新燃岳火口直下を震源とする火山性地震は、17日に増加して以降、多い状態で経過し、本日の爆発的噴火の発生前後には一時的にさらに増加しました。
 火山性微動は観測されていません。
 
 6月19日からの火山性地震、火山性微動の回数は以下のとおりです。なお、回数は速報値であり、精査の結果、後日変更することがあります。
 
               火山性地震 火山性微動
 6月19日          124回    0回
   20日           90回    0回
   21日          123回    0回
   22日00時から03時まで  1回    0回
      03時から06時まで 11回    0回
      06時から09時まで 28回    0回
      09時から12時まで 44回    0回
      12時から15時まで 13回    0回

 GNSS連続観測では、霧島山を挟む基線で、3月中旬以降、霧島山の深い場所でのマグマの蓄積を示すと考えられる基線の伸びがみられていましたが、5月上旬から一部の基線でその伸びは鈍化しています。
 
 新燃岳では、活発な火山活動が続いていることから、今後の火山情報に注意してください。
噴火警戒レベルごとの情報、警戒事項など
<レベル3(入山規制)> 霧島山(新燃岳)
防災上の注意事項など
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範囲では警戒してください。
 風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。
 地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。
 なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。
次回発表予定日時
 次の火山の状況に関する解説情報は、25日(月)16時頃に発表の予定です。
 なお、火山活動の状況に変化があった場合には、随時お知らせします。