アメリカ南部・中西部で竜巻(2021年)
2021年(令和3年)12月10日から12月11日にかけて、アメリカ南部や中西部で竜巻が多発し、8つの州で被害が発生した。この竜巻で、アメリカ全土で少なくとも91人が死亡した。
一晩で観測された竜巻は66個にのぼり、最も規模の大きいものはケンタッキー州を約266kmにわたり移動した。これは、アメリカで観測された竜巻の中でも有数の規模であるが、冬季に規模の大きな竜巻が発生するのは珍しく、季節外れの高温で大気の状態が不安定であったことで竜巻がより発達しやすかったとみられている。
壊滅的な被害を受けたケンタッキー州メイフィールドでは、竜巻の規模を評定する「改良藤田スケール」で2番目の強さを示す「EF4」相当となる、風速約85m/sに達する竜巻が通過した。ケンタッキー州では、他にも大規模な停電や断水などのライフラインの障害が発生した。さらに、通信障害により被災地では安否確認が難航した。
参考資料
- 原子力規制庁 地震・津波研究部門「2021年12月に米国で発生した竜巻の調査結果」
- National Weather Service「NWS Memphis,TN-December10-11,2021 Tornado Outbreak」
- Storm Prediction Center「Enhanced F Scale for Tornado Damage」