ニュージーランド・ホークスベイ地震(1931年)
1931年2月3日10時47分頃、ニュージーランド北島中部のホークスベイ地域直下を震源とするマグニチュード7.8のホークスベイ地震が発生し、258人が死亡、負傷者は2,500人以上にのぼった。
ホークスベイ地域の中心都市であるネーピアは、海岸沿いの軟弱地盤の上に市街地が形成されていたことから地震の揺れに伴う建物被害が著しく全体の3分の2の建物が被災した。また、地震発生直後に中心市街地の店舗から火災が発生したが、水道管が破損していたことから消火活動は行えず周囲に延焼し、オフィスなどが建ち並ぶ中心市街地がほぼ焼失した。
市街地の復興にあたっては、再建委員会の主導により都心街路の拡充、電線や下水溝の地下埋設に加え、ブロックごとの建物やデザインの共同化および耐震補強が行われるなど先進的な取り組みが進められ、個性的かつ優美な都市景観は現在では貴重な文化遺産となっている。
参考資料
- 植村善博「1931年ホークスベイ地震の被害と復興-ネーピアの事例-」(歴史地震第23号)