熱海伊豆山地区土石流(2021年)
2021年(令和3年)7月3日10時30分頃、静岡県熱海市伊豆山地区を流れる逢初川で土石流が発生した。土石流は逢初川の源頭部(標高約390m地点)で発生し、約2kmにわたって川に沿って流れ下って海岸まで達した。土石流は、逢初川の下流にある熱海市伊豆山地区の住宅地を襲い、被災した範囲は延長約1km、幅最大約120mに及び、死者28人(災害関連死1人を含む)、負傷者4人、住宅被害は98棟(うち全壊53棟)という甚大な被害となった。
土石流の発生に先立ち、7月1日から3日にかけて西日本から東日本には梅雨前線が停滞して大雨となっており、解析雨量で静岡県内では24時間雨量が500~600mmに達する記録的な大雨となっていた。
この土石流災害については、上流部で違法な盛土が繰り返され、排水などの適切な管理がされていなかったことが問題視された。これを契機に、従来の「宅地造成等規制法」を抜本的に改正して危険な盛土などを包括的に規制し、安全性の確保や責任の所在を明確化することなどを盛り込んだ「宅地造成及び特定盛土等規制法」が2023年(令和5年)5月26日に施行された。
参考資料
- 気象庁「7月1日から3日の東海地方・関東地方南部を中心とした大雨(災害をもたらした気象事例)」
- 静岡県「熱海市伊豆山地区土砂災害関連情報について」
- 国土交通省「「宅地造成等規制法の一部を改正する法律」(盛土規制法)が公布されました~危険な盛土等を全国一律の基準で包括的に規制します!~」