令和2年7月豪雨(2020年)
2020年(令和2年)7月3日から31日にかけて、日本付近に停滞した前線の影響で、暖かく湿った空気が継続して流れ込み、西日本から東日本、東北地方の各地で大雨となった。特に、熊本県では球磨川の氾濫や土砂崩れが多発し、65人が死亡、2人が行方不明となり、死者は全国で84人に上った。全半壊6,125棟を含む16,599棟の住家被害が確認された。
気象庁によると、7月3日から8日にかけて、九州付近を通って東日本にのびた梅雨前線が停滞。西日本や東日本で大雨となり、特に九州では4日から7日は記録的な大雨となった。また、岐阜県周辺では6日から激しい雨が断続的に降り、7日から8日にかけて記録的な大雨となった。気象庁は、熊本、鹿児島、福岡、佐賀、長崎、岐阜、長野の7県に大雨特別警報を発表。最大級の警戒をよびかけた。期間中の総降水量は、長野県や高知県の多い所で2,000ミリを超えたところがあり、九州、東海、東北地方の多くの地点で、24、48、72時間降水量が、観測史上1位の値を超えた。
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中での大雨災害となったため、避難所では「密」を回避するためのレイアウトの工夫、マスクや消毒液などの備品の準備、検温など、これまでとは異なる対応に追われた。いわゆる「コロナ禍」での避難行動として、避難所以外に安全な親戚・知人宅に身を寄せるといった避難のあり方を考えさせられる機会となった。(Yahoo!天気・災害)