天正地震(1586年)
天正13年11月29日(1586年1月18日)深夜、中部地方を震源とする巨大地震が発生した。震源は岐阜県の内陸部、伊勢湾、あるいはこの2か所が連動して発生など諸説あり、地震の規模もマグニチュード8.6程度と推定されるも謎の多い地震とされている。もし本州内陸部で発生したとすれば、1891年(明治24年)10月28日の濃尾地震(M8.0)を上回る国内最大規模の内陸地震と言える。
正確な死者数などは明らかになっていないが、中部・近畿地方を中心に被害が大きく、特に岐阜県飛騨地方では大規模な山崩れが発生した。特に有名なのは白川郷(岐阜県白川村)にあった帰雲城とその城下町で、庄川沿いの帰雲山が地震により大規模に崩壊し、城下が完全に埋没したと伝えられている。この崩壊の痕跡は現在でも庄川沿いから確認することができる。
参考資料
- 国立天文台『理科年表 平成28年』(丸善出版)