令和4年桜島噴火警戒レベル引き上げ(2022年)
2022年(令和4年)7月24日20時5分、鹿児島県の桜島・南岳山頂火口で爆発的噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から約2.5kmまで達した。
この噴火を受けて、気象庁は同日20時50分、桜島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルを最も高いレベル5(避難)に引き上げた。これは現行の噴火警戒レベルの運用開始以降、桜島に対して初めての噴火警戒レベル5の発表となった。また、鹿児島市の桜島地域一部では大きな噴石が飛散し居住地域に影響を及ぼす可能性があると予想されたため、避難指示が発令された。
なお、この噴火での人的・物的被害はなく、その後も居住地域に影響を及ぼす噴火が発生しなかったことから、27日20時、気象庁は噴火警戒レベルをレベル3(入山規制)に引き下げ、避難指示も解除された。
桜島における噴火警戒レベル5の発表基準は、「(1)全島に影響する溶岩流・火砕流・大きな噴石の飛散」、「(2)島内の居住地域に大きな噴石が飛散」の2つがある。今回の噴火警戒レベルの引き上げは(2)の基準に基づいて行われたが、どちらの基準によるものか分かりにくいとの意見があり、気象庁はその後、大規模噴火の兆候の有無を明記することとした。これは、居住地域に影響を及ぼすおそれのある噴火警戒レベル5または4の噴火警報に適用される。
参考資料
- 気象庁「火山活動の状況(桜島)」
- 福岡管区気象台・鹿児島地方気象台「桜島の噴火警報文の改善について」