平成30年北海道胆振東部地震(2018年)
2018年(平成30年)9月6日3時7分頃、北海道の胆振地方中東部を震源とするマグニチュード6.7の地震が発生した。この地震では、北海道では初となる震度7を厚真町で観測したほか、札幌市内でも震度6弱を観測するなど道内の広い範囲で震度4以上の強い揺れを観測した。この地震で43人が死亡、782人が負傷。家屋被害は、厚真町で発生した大規模な土砂崩れや札幌市で発生した液状化現象の影響などで約16,000棟にのぼった。
震度7を観測した厚真町周辺は、崩壊しやすい性質の火山噴出物が厚く積もった地域で、地震の揺れに伴って広範囲にわたって大規模な土砂崩れが発生した。発生が深夜だったことから土砂崩れの被害を受けた住宅では住民のほとんどが巻き込まれ、厚真町だけで死者が36人にのぼった要因となった。
また、厚真町には、北海道最大の火力発電所で、道内の電力需要全体の約半分を担う苫東厚真火力発電所があり、この地震の影響で緊急停止した。これにより電力の需給バランスが崩れたことで他の発電所も連鎖的に停止し、道内のほぼ全域に当たる約295万軒で大規模な停電(ブラックアウト)が発生した。電力会社の管轄区域のほぼ全域が停電するのは初めての事態で、市民生活や経済活動にも大きな影響が生じた。
こうした大きな被害を受けて、気象庁はこの地震を「平成30年北海道胆振東部地震」と命名した。
この災害の記録写真
参考資料
- 気象庁「災害時地震報告 平成30年北海道胆振東部地震」
- 総務省消防庁「平成30年北海道胆振東部地震による被害及び消防機関等の対応状況(第35報)」
- 内閣府「平成30年北海道胆振東部地震に係る被害状況等について」