令和元年台風21号(2019年)
2019年(令和元年)10月19日、トラック諸島近海で発生した台風21号は、24日から26日にかけて日本の東を北上した。
台風は太平洋上を進み、直接日本列島に上陸こそしなかったものの、台風から暖かく湿った空気が流れ込み、大気の状態が不安定となり、関東地方と東北地方の太平洋側で大雨となった。特に千葉・福島の両県では総降水量が200mmを超え、わずか半日足らずで、平年の10月1か月分の降水量を上回るような記録的な大雨となった。
千葉・福島の両県では、台風15号・19号による被害の復旧途上で再びの大雨となり、この両県では27の河川で氾濫が発生、各地で土砂崩れや浸水が発生した。また、台風19号で鉄道が寸断される大きな被害が発生した宮城県丸森町でも、25日に100mm以上の雨が降るなど、被災地にさらなる被害をもたらした。
千葉県を中心に死者13人、負傷者8人、浸水・損壊家屋3,199棟の被害が生じた。死者の約半数は、車での避難中に車体の水没や川に流された「車中死」による死亡であり、避難のあり方を改めて捉え直す災害となった。
参考資料
- 気象庁「低気圧等による大雨(災害をもたらした気象事例)」
- 総務省消防庁「令和元年台風第19号及び前線による大雨による被害及び消防機関等の対応状況(第62報)」
- 国立情報学研究所「デジタル台風:2019年台風21号」