昭和51年台風17号(1976年)
1976年(昭和51年)9月8日から14日にかけて、台風17号と前線の影響で全国的に大雨による大きな被害が発生した。9月4日にトラック諸島の北西海上で発生した台風17号は、日本の南海上を北西に進んだ後、10日から12日にかけて九州の南西海上でほとんど停滞した。その後、台風は北上を始めて13日1時40分頃、長崎市付近に上陸し九州北部を進んだ後、日本海へ抜けた。
台風が長時間にわたり日本付近にあり、加えて本州付近に前線が停滞していたことから、四国地方で期間降水量が2,000mmを超えるなど全国的に大雨となった。特に大きな被害となったのは香川県の小豆島と岐阜県美濃地方で、このうち、香川県では小豆島の内海町(現在の小豆島町)で期間降水量が1,328mmと年平均降水量を上回る記録的な大雨となり、土石流や洪水が相次いで発生した。また、岐阜県では上流で1,000mmを超える大雨が降った長良川の水位が上昇し、下流の岐阜県安八町で堤防が決壊、隣接する墨俣町にかけて広く浸水した。
この大雨で、全国で161人が死亡し、浸水・損壊家屋は530,000棟を超える大きな被害となった。