平成30年台風24号(2018年)
2018年(平成30年)9月21日、マリアナ諸島近海で発生した台風24号は、28日から30日にかけて非常に強い勢力で沖縄地方に接近した。30日20時頃には和歌山県田辺市付近に上陸後、東日本から北日本にかけて日本列島を縦断した。
この台風では、南西諸島や西日本、東日本を中心に各地でこれまでの記録を更新する猛烈な風を観測したほか、紀伊半島などで過去の最高潮位を超える高潮を観測した。
沖縄本島地方では27時間にわたって暴風域に入るなど、南西諸島では長時間台風の影響を受けた。鹿児島県与論町で最大瞬間風速56.6m/sを、屋久島町では3時間解析雨量約240mmを記録し、家屋の損壊や浸水が相次ぐ大きな被害をもたらした。
また、台風は上陸後も勢力を維持したまま東日本を通過したため、台風の東側に入った関東地方でも暴風となり、東京都八王子市では最大瞬間風速45.6m/sを記録した。
台風が勢力を維持したまま関東地方に接近することが予想されたことから、首都圏ではJRが初の計画運休を実施したが、事前周知のタイミングや台風通過後の運転再開の案内などに課題が残った。
この台風により、全国で死者4人、負傷者231人、浸水・損壊家屋12,000棟以上の被害が生じた。負傷者や浸水・損壊家屋の多くは南西諸島や九州南部を中心に発生したほか、静岡から千葉に至る各県でも被害が相次いだ。
参考資料
- 内閣府「平成30年台風第24号に係る被害状況等について」
- 総務省消防庁「平成30年台風第24号による被害及び消防機関等の対応状況(第11報)」
- 気象庁「台風第24号による暴風・高潮等(災害をもたらした気象事例)」
- 国立情報学研究所 「デジタル台風:台風201824号 (TRAMI)-総合情報(気圧・経路図)」
- 日本経済新聞「台風24号で計画運休 情報周知には課題」