平成28年台風10号(2016年)
2016年(平成28年)8月30日、岩手県大船渡市付近に台風10号が上陸、北日本を中心に大きな被害が出た。
台風10号は特異なコースを辿り、八丈島付近で発生した後に日本の南海上を南西に進み、大東島地方付近で反転するかのように北寄りに向きを変え日本の東海上を北上し、8月30日夕方に岩手県大船渡市付近に上陸した。東北地方太平洋側への台風上陸は史上初となった。
台風周辺の発達した雨雲がかかった岩手県と北海道を中心に1時間雨量が70~80mm、24時間雨量が200mmを超える記録的な大雨となり、河川の氾濫が相次いだ。岩手県岩泉町では高齢者福祉施設が氾濫した河川の濁流に襲われ9人が死亡するなど死者・行方不明者は全国で27人にのぼった。
この台風災害では、避難情報が実際の避難行動に結びついていないことが課題となり、2016年12月26日に「避難準備情報」が「避難準備・高齢者等避難開始」に、「避難指示」が「避難指示(緊急)」に名称変更された。
また、北海道内のJR線や幹線道路では、空知・日高・十勝地方を中心に橋梁や路盤の流出などが相次ぎ、全面的な復旧までには時間を要する見込みとなっている。