昭和61年台風10号(1986年)
1986年(昭和61年)8月5日から6日にかけて、台風10号から変わった温帯低気圧が房総半島を通過した。低気圧の動きがゆっくりだったことから、湿った空気が長時間にわたって流れ込み続け、茨城県、栃木県、福島県、宮城県を中心に2日間の降水量が所によって400mmを超える記録的な大雨となり、各地で河川の氾濫が相次いだ。
このうち、茨城県では、小貝川が明野町(現在の筑西市)と石下町(現在の常総市)で決壊、栃木県では、逆川が茂木町で氾濫し町の中心部が広範囲で浸水した。また、宮城県では、吉田川と鶴田川が鹿島台町(現在の大崎市)の複数箇所で決壊した。
このように、この大雨では関東・東北地方の広範囲で被害が発生し、死者・行方不明者20人、浸水・損壊家屋は100,000棟を超える大きな被害となった。
参考資料
- 国立防災科学技術センター「1986年8月5日台風10号の豪雨による関東・東北地方の水害調査報告」